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物忘れの原因と対策:脳を活性化させて、記憶力を維持する方法

  • 1.加齢による脳の老化
  • 2.食生活の欧米化
  • 3.睡眠不足
  • 4.ストレス

1.加齢による脳の老化

やはり、物忘れの原因の多くは「加齢」です。
脳の細胞は年齢を重ねるごとに減少してしまいます。

その結果、ワーキングメモリがどうしても減ってしまうのです。
ワーキングメモリとは、短時間で頭の中で情報を保持し、同時に処理する能力のことを指します。 具体的には、暗算をしたり、会話で的確な言葉を選んだり、理論的な推測をする思考能力のことで、頭の良さの一つです。

記憶力との関係で重要なのは「短期記憶」です。
短期記憶とは、ほんの数十秒から数ヶ月とされる記憶で、
初対面の人の名前や昨日食べた晩御飯のことです(よく忘れますよね)。

しかし、昨日食べた晩御飯を忘れてしまう人でも、長期記憶は覚えています。 自転車の乗り方や仕事の手順やルール、尊敬する偉人のプロフィールなどのことです。 若い頃に記憶したことを覚えているのに昨日食べた晩御飯がすぐに思い出せない、これが「典型的な物忘れ」なのです。

残念ながら、脳の老化が始まるのは20代です。 20代を境に脳細胞は減少していき、それに伴って記憶力は落ちていきます。 前述のワーキングメモリの領域も減少していき、「あれっ、Aさんの下の名前が思い出せない」「昨日の晩御飯、なに食べたっけ?」となってしまうのです。


2.食生活の欧米化

近年の食生活の欧米化によって、脳を取り巻く環境は様変わりしました。

肉類中心の食生活になってしまった結果、脂質・飽和脂肪酸・コレステロールを過剰摂取してしまいがちです。 高血圧や糖尿病、動脈硬化を引き起こし、脳血管や脳神経の障害につながるので、認知症のリスクです。

簡単に言うと、肉食中心の生活では脳がサビつくのです。油や脂肪で血液がドロドロになり、脳への血流供給もスムーズなものではなくなります。


やはり、脳に良い食事は「和食」です。 昔の日本人は、肉類をほとんど食べずに、マグロ・サバ・ブリなどの青魚を積極的に食べていました。

青魚には、脳の働きを良くするDHAやEPAが豊富に含まれており、優れたブレインフードです。 事実、青魚や緑黄色野菜を積極的に食べることで認知症予防につながると考えられています。


3.睡眠不足

人間は眠っている時には、脳や肉体の疲れを回復させます。
記憶の整理や細胞の修復も行っており、記憶と睡眠は親しい間柄です。

そのため、睡眠不足は物忘れの原因になるのですが、とりわけ問題なのが「海馬」の衰えです。 海馬とは、脳に存在する、記憶を司る部位です。

人間が得た情報は、一度、海馬にファイルされて、整理整頓を受けます。 その後、大脳皮質に送られて、記憶として定着すると考えられています。

つまり、「新しい記憶」は海馬で一時預かりとなり、その後に大脳皮質で「古い記憶」になります。 しかし、この海馬が衰えてしまうと、短期記憶に障害が生じてしまい、典型的な物忘れの症状があらわれてきます。

昨日、食べた晩御飯が思い出せない、人の顔と名前が一致しない等です。 年齢を重ねると、昔のことは覚えているのに、どうしても新しいことを覚えられなくなるものです。これは海馬の機能低下が原因と考えられます。短期記憶の能力が低下して、一時預かりが上手くいかないのですね。

特に、海馬はデリケートで、ストレスや睡眠不足によってダメージを受けやすいのです。睡眠をしっかりと取ることが脳機能の保持になるのです。


4.ストレス

結論から言うと、ストレスは記憶の形成を邪魔してしまいます。情報は脳の海馬で作られますが、その際には電気信号が脳内で交わされます。

しかし、日常生活でストレスを感じていると、別の信号が介入してしまい、記憶が作りづらくなります。 うつ病になると記憶力や思考力が低下するのは、信号の介入が常態化して、脳が作業に集中できないからです。

脳がストレスでオーバーヒート気味になると、どんな人でも記憶力が低下します。 若い人であっても、仕事のストレスにさらされると、物覚えが悪くなってしまいます。 くわえて、海馬はストレスにとても弱い場所です。

子供の頃に虐待された経験がある方の中には、海馬の萎縮が確認されているケースもあります。 そのような経験がない人でも、ストレスに長期間さらされると海馬が萎縮するケースがあります(例:PTSD患者)。

 

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脳を守る生活習慣

  • 1.食事で脳を守る
  • 2.運動は最良の記憶力トレーニング
  • 3.ちょっとした生活習慣で脳がサビつかない

率直に言って、年齢を重ねれば、誰でも記憶力や思考力は低下してしまいます。仕方がないことなのですが、生活習慣を変えることで、脳を老化から守ることが出来ます。事実、いつまでも元気で若々しい方はいますね。

今回は、食事と運動、日常生活での工夫によって、サビつかない脳を手に入れる方法を提案させて頂きます。一度にすべてを行うのは難しいですが、何か琴線に触れるものがあれば、ぜひ日常生活に取り入れて下さい。

1.脳の若々しさを保つ食事の方針

■ビタミンB群を食べて記憶力をサポート

ビタミンB1、B6、B9(葉酸)、B12には、脳の正常な機能を保つ役割があります。 具体的には、神経伝達物質を生産して、脳と神経細胞のコミュニケーションをスムーズにします。 ビタミンB群を豊富に摂取するには、胚芽米や胚芽パンを主食として、緑黄色野菜や果物、豆類を選択します。

食事のことをごちゃごちゃ考えるのが面倒くさい場合は、ビタミンB群のサプリメントがあります。 残念ながら、サプリで必要分のすべてをカバーすることはできませんが、ビタミンB群の摂取をサポートしてくれます。

筆者は「納豆」「オクラ」「生卵」をまぜた特製納豆ごはんを毎日食べることでビタミンB群を美味しく取っています。 お気に入りのレシピを持つことで栄養が欠乏するので、自分の「ビタミンB食」を決めましょう。

■ビタミンB群を豊富に含む食材

●野菜-ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、じゃがいも

●果物-バナナ、いちご、オレンジ、みかん、パイナップル

●豆類-納豆、豆腐、おから

●主食-胚芽米、胚芽パン


■脳の健康を守ってくれる青魚を積極的に摂る

魚、特に青魚に含まれる「オメガ3脂肪酸」は加齢に伴う記憶力の低下やアルツハイマー病を予防します。 具体的には、魚の油に含まれるDHA、EPA、DPAなどがあり、端的に言って「脳の健康」を守ってくれます。

DHAは脳を構成する、およそ140億個の脳細胞膜に存在しており、特に海馬には他の部位と比較して2倍以上も存在します。

そのため、DHAは別名「脳の栄養素」とも呼ばれており、海馬のDHA量がIQや学習能力、認知症に関係することが多くの研究で示唆されています。

事実、アルツハイマー性の認知症の患者さんを調べると、海馬のDHA量が少ない例が多く、認知症の治療や予防としてもDHAは注目されています。

DHAの研究は1970年代からされていて、実際に行った疫学調査では、魚を大量に摂取するグリーンランド(デンマーク領)エスキモーの動脈硬化性心疾患による死亡率は、本土のデンマーク人の死亡率に比べて極めて低いと報告されています。

だいたい昔の日本人は魚をよく食べていたので、魚が持つ健康パワーを享受していたのです。 それが食習慣の欧米化によって肉類中心となり、魚の消費量が年々減少してしまいました。

なるべく魚を食べるには、「魚の缶詰」がオススメです。 さば、さんま、いわしの缶詰でも1個100円程度ですから、とてもリーズナブル。

具体的には、さば・まぐろ・さんま・うなぎ・ぶり・いわし・さけなどを食べることで、DHAやEPA等の恩恵にあずかることが出来ます。



■記憶力をサポートする食品を取り入れる

前述のDHAやEPAも記憶力をサポートしてくれますが、
レシチンも記憶力を保持してくれる注目の栄養素です。

レシチンは、神経伝達物質のアセチルコリンの材料になっており、脳内の情報伝達がスムーズに行えます。 そのため、記憶力や認識機能の維持をサポートすると考えられているのです。

レシチンがダントツで含まれているのは大豆食品です。
豆腐、納豆、枝豆、おから等が挙げられ、卵黄にも含まれています。

筆者は、納豆に生卵を入れてレシチンを摂取するようにしているので、とてもお手軽です。 また、豆腐を常備しており、小腹が空いたときにお夜食として冷奴にして食べています。比較的、取りやすい栄養素なのです。


■運動こそが最良の記憶トレーニングである

「世界記憶力選手権」の史上最年長の世界チャンピオンであるグンター・カールステンさんという方がいらっしゃいます。彼は、抽象的な形の並び順を覚える競技で318個を記憶するという世界記録を持つ超人です。

現在でもトランプ52枚の並びをわずか46秒で記憶する能力を維持しています。そんなカールステンさんが行っているトレーニングがあります。

「サイクリング」「ジョギング」です。記憶力を保持するためのトレーニングの半分を有酸素運動に費やしているのです。

実は、近年の研究で、有酸素運動によって海馬が成長する可能性が指摘されています。 アメリカのピッツバーグ大学の研究チームは有酸素運動が海馬の容量を大きくするという報告をしています。

健康な55~80歳男女120名を集め、1日40分の有酸素運動を半年間実行してみたところ、海馬の容量は2%も増えていたと報告しています。

海馬を維持するだけでなく、体積が増えていたと言うのですから、驚きの結果です。海馬は短期記憶を担当しますから、前述の世界チャンピオンのトレーニングは理にかなっているのです。運動、おそるべしです。


脳がサビない生活習慣

●一駅手前で降りて、歩くようにする。

前述のように、有酸素運動は脳の海馬の成長をサポートします。
また、脳の活性化をうながして、思考力や発想力も助長してくれます。

朝、会社に出勤する前に、一駅手前で降りて、歩くようにしましょう。
到着時間もあるので、歩みのペースがダラダラすることはなく、ほどよい運動強度になります。 運動で全身の血流がうながされ、脳への血流も良くなります。朝から冴えてくるので、スムーズに仕事に取り組めます。

●家事は脳トレ。手先を動かす作業をする。

皿洗いや料理をすることで脳が活性化するという研究があります。
指先を動かすことで頭が働いたり、料理で複数の作業を同時に行うので、頭を良く使うことになるのです。主婦の方にはピッタリの脳トレですね。

家事を、より優良な脳トレにするにはタイマーを用いましょう。 タイムリミットをもうけることで、脳にほどよい緊張感を与えられるからです。 「20分以内に皿洗いを終わらせる」「15分で掃除完了」というように。

●日記を書いて、思い出す訓練をする。

1日の終わりに日記を書きましょう。 思い出す力を想起力と呼びますが、日記を書くことで思い出すトレーニングになるのです。 その日の仕事内容、会った人物の名前、気になったニュース、新しい発見などです。

物忘れが気になっているからと言って、記憶することだけを考えていてもバランスが悪いです。 物を記憶するのと思い出すのはセットですから、日常の中に脳をテストする習慣を持って下さい。良い緊張感が生まれます。

●良質な睡眠を確保する。

人間の脳は、睡眠中に記憶を整理して、細胞を修復します。 そのため、睡眠不足が続いてしまうと、当然、記憶力の低下をまねいてしまいます。

また、短期記憶を司る海馬はとてもデリケートな場所です。 睡眠不足が続いただけでもダメージを受けてしまうので、睡眠はとても重要なのです。

夜更かしをせずに早めに寝るようにしたり、睡眠の質を高めるトリプトファンを含む牛乳やバナナを食事に取り入れましょう。 また、カフェインを飲みすぎたり、寝酒をすることで睡眠の質が悪くなるので、このような飲み物を遠ざけるようにします。時間は増えませんから、食べ物に要注意。

 

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