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若年性健忘症の原因と対策:脳がサボると若くても忘れっぽくなる

    ■結論から言えば・・・

    • 20代~30代でも若年性健忘症を発症する恐れがある。
    • 背景にはパソコンやスマホの普及により頭を使う機会が極端に減ったことがある。そのため、別名デジタル健忘症とも呼ぶ。
    • ただし、はっきりとした原因は不明で、画像診断でも異常は見られない。現在では、前頭前野に異常があると言う説が有力。

近年、注目されているのが若年性健忘症です。まだ20代、30代と若いはずなのに、高齢者の健忘症のような症状が本当に出るのです。この記事では、若年性健忘症について解説するだけでなく、改善法も提案しました。

 

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■原因は不明。若者の物忘れ。

20代~30代の若い世代でも起こりうる物忘れを「若年性健忘症」と呼びます。 軽い物忘れから重度の記憶障害まで症状は様々ですが、本人が自覚できるほど物忘れが激しくなります。 頭部などの外傷性のケガで発症したり、強いストレス、脳を使わないことでも起きると考えられています。

ケガなどの特殊な例をのぞけば、一般的には、スマホやパソコンの普及で頭を使わなくなったからと説明されます。 以前なら、情報も予定も自分の頭で記憶する必要がありましたが、現在ではスマホに投げっぱなしです。


必要な時に引き出すようになったので、脳がサボれる条件が揃ったのです。 友人の電話番号を正確に記憶している人はどれだけいますか? ほとんどん方は覚えていないとなるでしょう。覚える必要がないのですから。

また、近年はビジネスシーンでも業務の細分化によって、毎日似たような仕事をする環境になっています。 日常がルーチン化されてしまうので、どうしても単調になりがちですね。イレギュラーがほとんどありません。

    ■結論から言えば・・・

    • 若いのに人の名前が覚えられない。
    • 会話中に適切な言葉が出てこない。
    • 会話の相手が複数になると話が聞き取れなくなる。
    • 文章が思い浮かばずパソコンの前で固まってしまう。
    • 反復して覚えた事柄も忘れる。

本人が困る分にはいいのですが、これが周囲との軋轢になると大変です。「言ったよね?」「聞いてないよ!」ということになり、人間関係の問題に発展してしまいます。ここで異常が明らかになることもあります。


思考力も低下する

また、若年性健忘症は記憶力の低下だけが問題ではありません。 思考力や判断力が弱まってしまい、頭がまともに働かなくなってしまいます。

    ■結論から言えば・・・

    • 会話に「あれ」「これ」などの代名詞が増える。
    • 会話の相手が複数になると上手に聞き取れない、
      理解力が極端に落ちる。
    • 文章が思い浮かばずに、何度も見直しをしてしまう。
      文章の筋が通っておらず、意味が分からない。
    • 物事を順序立てて考えることができず、
      何度もやり直しをすることになる。

突然、思考がブツ切れになり、フリーズした経験はありませんか?若年性健忘症になると、上記のような体験を頻繁に繰り返すことになります。
当然、仕事に支障が生じるので、本人はとても悩むことになります。


脳に異常は見られない。原因は未だ不明。

若年性健忘症は脳波計やMRIなどの画像診断には異常が確認できません。 外傷による健忘症から老人性認知症に至るまで、健忘症はほとんどの場合で異常が確認できるものです。 しかし、若年性健忘症では、このような異常は見られず、問題を発見することが出来ないのが一般的なのです。

あくまで仮説ですが、現在有力なのが脳の前頭前野の異常があるという説です。具体的には46野と言われる場所で、 思考や判断を司る部位なのですが「ここに異常が見られるのでは?」と考えられています。

 

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対策

若年性健忘症は別名「デジタル健忘症」と呼ばれることもあり、IT化が進んだために脳がサボれるようになったことが原因だと考えられています。

そのため、脳の前頭葉ー記憶、判断、選択などを司る部位ーが衰えてしまっている可能性があります。 2001年7月10日、NHKのクローズアップ現代で「若年性健忘症が」特集されました。 番組内で紹介された対策として、ワーキングメモリを鍛えることを勧めていました。

    ■結論から言えば・・・

    ワーキングメモリとは、短時間で情報を保持して処理する能力のことです。会話や読み書き、暗算などの基礎となります。

    買い物の際に暗算をしたり、情報に基づいて判断する、会話で適切な言葉を選ぶ等の作業をしています。 簡単に言うと、脳にメモをして、なんらかの操作を行う機能のことで、ここが優れているのが頭がキレる人です。

NHKの番組では、若年性健忘症の方の生活習慣がワーキングメモリを劣化させる傾向にあったと紹介しています。ワーキングメモリは前頭葉にその基礎があるので、ここを鍛えることが若年性健忘症の改善になると考えるのはとても妥当です。以下で、前頭葉を鍛える簡単な方法を紹介します。


ワーキングメモリを鍛える方法

1.生活リズムを整える。

不規則な生活をしていると脳が「時差ボケ状態」になります。 起床時間がバラバラだと、生体リズムが安定せず、どうしても脳の調子が狂ってしまいます。 生活のリズムを失うことは脳機能低下の入り口なのです。

まずは起床時間と就寝時間を一定にして、脳の活動リズムを安定させることが重要です。この点が脳の健康を守るすべての土台になるのです。


2.本の音読をする(10分以上)

本を音読することで、脳が活性化することが分かっています。
具体的には、思考や判断を司っている前頭葉の機能が向上します。

音読は目と口の運動だけでなく、情報の入力→情報処理→出力という要素が連続的に含まれており、頭のいろいろな場所をバランス良く使えます。頭の体操になるので、老人ホームでも取り入れているケースもあります。

筆者も音読を習慣にしています。朝のうちに新聞や書籍を音読するのですが、頭が冴えてきますよ。 気分が落ち込んでいる時に行えば、脳の血流が良くなるからなのか、ずいぶんと心が晴れてくるものです。 特に、会話が少ない環境で生活している方は、ぜひ本や新聞の音読をして下さい。


3.軽い運動を習慣にする

有酸素運動をすると脳細胞の栄養であるBDNFが体内で作られることが分かっています。 このBDNFが脳の神経細胞(ニューロン)が脳に栄養を送る血管の形成を促すことが明らかになりました。 これまでの常識では、脳のニューロンは加齢と共に減り、増えることはないと考えられていました。

しかし、近年の研究で定説がくつがえり、有酸素運動によって脳が成長することが判明したのです。 通勤時に、一駅手前で降りて歩くようにしましょう。 それだけで日常生活に運動の習慣を組み込むことが出来ます。

散歩などの軽い運動をすることで、血液が脳の高いところまで汲み上げられます。 頭のエンジンがかかるので、スムーズに仕事に取り組めます。


4.積極的に家事をこなす

実は、家事は理想的な脳トレです。 前頭葉の役割には「選択」「判断」「系列化」などの要素がありますが、 料理や掃除、洗濯にはこれらの要素がバランスよく含まれています。 たとえば、料理を作る場合には、肉や魚などの食材を洗濯して、焼いたり、煮たり、処理の判断をします。

しかも、家事として料理する場合は、何品も並行して作るので、同時並列(マルチタスク)での処理が必要です。 私たちが想像しているよりも、家事では高度な処理がされているのです。そのため、家事を習慣にすることで、前頭葉が鍛えられるのです。主婦にはピッタリの脳トレですね。

家事をより充実した脳トレにするにはタイマーを使って時間制限を設けることです。 「15分以内に片付けを終える」「20分以内に皿洗いを終える」このように時間制限で追い込むことで、脳がよりテストされます。


5.親しい人に面白い話をする。そのためにネタを仕入れる。

家族や友人との雑談のネタを仕入れるようにします。しかも、それを面白く話すようにしましょう。 そのためにテレビやラジオをメモを取りながら視聴します。ただ漫然と視聴しているだけでは面白かったで終了です。

しかし、ネタを仕入れるという緊張感を持つと脳トレに早変わりします。 メモ取りをすると、脳は「(情報の)入力→保持→解釈→出力」の処理をします。 これを習慣にすることで、人の話を覚えるトレーニングになり、頭の良い体操になります。 あとは、それを親しい人に話しましょう。

上手に説明するのは想像以上に難しく、ある程度の訓練が必要です。
前頭葉の能力が底上げされるので、頭のキレる人になれますよ。

 

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