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塩化水素の化学式

今回は塩化水素の化学式を学びましょう。結論から言うと、塩化水素の化学式は塩酸の化学式と同じHClです。 塩酸の化学式が分かっている人は塩化水素の化学式も覚えているので、今回は簡単すぎるかもしれません。

塩化水素とは無色透明で刺激臭のある有毒ガスであり、実際に扱うときには細心の注意を払わなくてはなりません。僕が通っている有機系の実験室でも塩化水素が発生する実験をやる際には必ず特別研究室という、通常の研究室から離れたところで実験をします。

それでは塩化水素の生成方法を復習しましょう。 工業的には水素と塩素を直接反応させ「Cl2 + H2 → 2HCl」の化学反応式によって作ります。


一方で、実験室レベルでは、塩酸の記事でも取り扱ったように塩化ナトリウムに対して濃硫酸を加えて加熱することで得られます。

  • NaCl + H2SO4 → NaHSO4 + HCl
  • NaHSO4 + NaCl → Na2SO4 + HCl

さて、この式をもっと詳しく踏み込んでみてみましょう。 この一つ目の式を見て気づくことはありませんか? 通常の化学反応式では「NaOH + HCl → H2O + NaCl」のように、左辺にだけ酸性物質があり右辺にはたいてい中性物質がありませんでしたか? この化学反応式見て分かるように、両辺に硫酸と塩酸があり、どちらも強酸の物質がありますね。

この式では、硫酸の右方向への推進力と塩酸の左方向への推進力が、反応が進むにつれて釣り合うようになります。つまり、「NaHSO4 + HCl → NaCl + H2SO4」の反応も同時に起こっているということです。

釣り合うとどうなるかというと、反応は進んではいますが、実際に生成物と原料の量が変化しなくなります。この状態を「平衡」と呼びます。

この単語は受験でよく出てくるので覚えておきましょう。 平衡状態を化学反応式で表すには「NaCl + H2SO4 ⇆ NaHSO4 + HCl」というように得よう方向の矢印を使います。


それでは、効率的に塩化水素を作るにはどうすればよいか? 平衡は常にその状態を保とうとしている状態のことで、簡単に言うと両辺のうちどちらか一方が減ると、それに合わせるようにしてもう一方も減ります。

この式で欲しいものは「塩化水素、HCl」なわけですから、できるだけ右方向への反応を進ませたいので、右の物質を反応系から減らしてやればいいことになります。 硫酸水素ナトリウムは溶液に溶けており、塩化水素は気体なので何となく塩化水素を反応系から除く方が楽とわかりますね。

化学反応式を覚えることももちろん大事なことですが、このようにその式についてもう一歩踏み込んで考察してみると、さらに化学が好きになり、楽しくなるかもしれません。

 

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