イメージ画像

ワーキングメモリを鍛えるトレーニング

  • スローランニング/裸足ランニング
  • 音読
  • 計算ドリル
  • 料理をする

スローランニング/裸足ランニング

京都大学名誉教授で、脳科学の権威である久保田競さんによれば、
スローランニングは脳、特に前頭前野を鍛えるのに効果的だそうです。

前頭前野はワーキングメモリが存在する場所で、ここのパフォーマンスがワーキングメモリの機能に大変な影響を与えます。事実、久保田教授の実験では、週に1時間走ったグループは、前頭前野の容積が増えたのです。週1時間のスローランニングを半年間、継続した結果だそうです。

スローランニングは時速5キロ程度、歩くのと同じペースで走ります。
ポイントは、背筋を伸ばし、あごを少し上げることです。久保田教授の研究によれば、時速9km程度のペースで走れば前頭前野が活性化するのですが、中程度の運動強度になるので、多くの人は長続きしないのです。

さて、ウォーキングでワーキングメモリは鍛えられるのでしょうか?答えはNOです。ウォーキングはワーキングメモリを鍛える上で効果があまりなく、日本の研究によって、前頭前皮質が活性化しないことが確認されました。しかし、ランニングでは前頭前皮質の活性化が確認できたのです。


両者の違いは「注意力」です。ランニングは、スピードや走り方の変化に常に注意力を必要とするので、ワーキングメモリに負荷がかかるのです。

走行時のフォームを維持する必要がありますし、コースも安定しているとは限りません。ウォーキングと違って、つねにペースにも気を使いますから、ワーキングメモリにぜひとも登場してもらわなくてはなりません。


また、トレーシー・アロウェイらはワーキングメモリを鍛える上で理想的なランニングを発見しました。『裸足(ベアフット)ランニング』です。

文字どおり、靴を履かずに、裸足で走るというランニングです。靴を履いている時は、地面の小石や砂に注意する必要はまったくありません。

裸足の場合はそうはいきません。足元に細心の注意を払わなければ、足の裏の皮がめくれ、血まみれになるでしょう。高度な判断力を走行中に次々にしなくてはなりません。だからこそ、裸足ランニングはワーキングメモリを鍛える最良のトレーニングと言えるのです。


本を音読する

そもそもワーキングメモリは言語を処理するのが主な仕事です。東北大学医学部教授の川島隆太博士によれば、音読をすると、脳の血流が増加して、前頭葉-ワーキングメモリが存在する-を活性化させると言うのです。

本や新聞の音読にはワーキングメモリの存在が不可欠です。文章を音読するには、これから展開される内容を予測して、単語や文章の意味を考えて、解釈を統合したり、自分の知らない単語の意味を前後関係から推測しなくてはなりません。ワーキングメモリに負荷がかかる作業なのです。

オススメは「高速音読」です。通常のゆっくりとした音読ではなく、早口で文章を読み上げます。次々に、文章がインプットされるので、理解力が試されます。ワーキングメモリはフル活動して、その処理に追われることになります。そのため、負荷の強度が高いトレーニングになるのです。

もちろん、難易度は高め。そもそも、高速で読み上げること自体に慣れが必要で、かんだり、意味を理解していなかったりします。初めは通常の音読をして、慣れてきたら高速音読にチャレンジするようにしましょう。


ちなみに、音読は学習にも向いています。一説によれば、口の周辺には記憶中枢に直結している部分があります。 これは人間が言語を習得するときに、口の形で学習していたからだと考えられています。英語の授業でさんざん音読させられたと思いますが、とても理にかなった学習法なのです。

語学学習で黙読をするのはもったいないです。単語を手で書いて覚えるのもいいですが、口の運動に活用される脳のエリアは、手についで、とても広いものだと分かっています。単語を覚える時は、手で書きながら、単語を音読しましょう。発音問題の対策にもなります。


スポンサーリンク

 


計算ドリル

東北大学の川島隆太教授が行った実験では、楽しいはずのコンピューターゲームをしている時よりも、単純でつまらないはずの足し算をしているときの方が脳が活発に活動していることが分かりました。

これは人間が計算をするには、ワーキングメモリが脳の頭頂間溝にアクセスして、数学の知識を引き出す必要があるからです。また、川島教授は複雑な計算よりも単純計算の方がより脳が活性化することを発見しており、計算ドリルが脳トレ、特に前頭葉を活性化させると解説されています。

事実、スウェーデンのカロリンスカ研究じょのトルケル・クリンバーグの研究結果によれば、計算ドリルによって発達障害の子どもの認知機能を向上せさることができたと報告しているのです。これはすごいですね。

以前は、教育熱心な親でなくても、子供にそろばんを習わせていましたが、理にかなっていたのです。川島教授は、子どもの脳を育てるには公文が良いとも述べており、計算が育脳に有効であることを強調しています。

計算ドリルの教材は書店で1000円前後で手に入ります。ワーキングメモリの機能に自信がない人であっても、手軽に始めることが出来るので、エントリーにピッタリのトレーニングと言えるでしょう。


■料理をする

実は、料理ではワーキングメモリが使用されています。ワーキングメモリの任務は「選択」「判断」ですが、これらの要素がバランスよく含まれている活動が料理なのです。料理を作る際は、肉や魚等の材料を「選択」して、それをどう調理するのかの「判断」をします。しかも、家事として調理する場合は一品だけではなく、何品も並行して作ることになります。

しかも、用事が立て込んでいる時は、掃除や選択も同時並列でこなす必要がありますね。そのため、私たちが想像しているよりも、料理を含む家事は高度な情報処理を求められる作業で、立派な脳トレになるのです。

ワーキングメモリを鍛えるには、レシピに一度目を通したあと、いっさいレシピを確認せずに料理をしましょう。肉料理の場合は途中で自信がなくなるかもしれません。パンを焼く場合は「無理だ」と思うことでしょう。

たいていは、レシピを暗記することは出来ないので、抜け落ちた記憶を長期記憶を利用して、推測することにもなるのです。この作業がワーキングメモリに負荷をかけるのです。「暗記料理」にぜひ挑戦して下さい。


スポンサーリンク


 

加齢や病気による忘れ物 カテゴリ一覧

サブコンテンツ

このページの先頭へ