試験に受かるユダヤ式記憶術の購入後レビュー
■ユダヤ式記憶術を購入しました。
私は気になった記憶術はお金の許す限り購入していますが、だいたいが以下の3つ。
- 右脳を鍛えてイメージ記憶を教える。
- 場所法などの既存の記憶術の焼き直し。
- 古本屋で100円で買える程度の内容。
だいたいがこの3つで、大金を払って購入したのに、フタを開けるたびにガックリ。
しかし、今回懲りずに購入した 「試験に受かるユダヤ式記憶術」は前述の3つに属さない初めての記憶術でした。良い意味で無名の記憶術。
「ジニアス記憶術」に軽くダマされたので期待はしていませんでした。
しかし、誰も知らないノウハウを高額なお金で買うという情報商材の特徴を守った貴重な商材でした。具体的な内容についてお話しましょう。
知識を孤立させない「生命の樹」
生命の樹をご存知ですか?生命の樹とは、
ユダヤ教のカバラ思想に登場する概念で
古代人が「世界(宇宙)がどのようにして
誕生したか」を説明するための図式です。
生命の樹は、哲学や宗教の分野で研究され
ていたり、あるいは占いにも用いられてい
います。なんだか深遠なイメージですね。
「試験に受かるユダヤ式記憶術」は、この生命の樹を用いた記憶術です。もちろん、著作権があるので具体的な方法はお話できませんが、実は生命の樹のコンセプトは不思議なくらい記憶術に適しているのです。
そもそも、生命の樹はこの世界がどのように発展して現在のような世界になったのかを体系的に表現する図です。ひとことに体系的と言っても生命の樹にはいろいろな関係性が組み込まれています。例えば、情報の時系列・順番、前後関係・原因と結果・対応関係・対立関係などです。
実は、たいていの科目はこれらの関係性を含んでいます。日本史の江戸時代を例に取りましょう。18世紀に徳川吉宗が8代将軍になる(情報の時系列・順番)、当時は儒教的な考えが廃れて世が乱れたので松平定信が寛政の改革で風紀を引き締めようとした(前後関係)・しかし世の乱れは治まらず商人は自分の利益を守るため「株仲間」を設立した(原因と結果)、これを田沼意次が公認した(対応関係)、しかし水野忠邦は株仲間による流通の独占が物価を高騰させていると考え株仲間の大半を解散させた(対立関係)。その結果、景気を悪化させた(原因と結果)。
このように、体系さ」にはいろいろな関係性が含まれています。人間の左脳は、理論的な結びつきを強く意識します。大量の暗記事項をしっかり記憶するには、これらの関係性が頭に入っているのが条件です。
つまり、記憶が安定するには知識同士が論理の線(関係性)で結ばれなくてはなりません。「寛政の改革を行ったのは?-松平定信」というクイズのような知識は、関係性が薄く、周囲から孤立するので忘れます。
「試験に受かるユダヤ式記憶術」は、生命の樹の「体系さ」を活かし、暗記したい知識を体系化させる手法です。具体的な手法はお話できませんが、私が感じたユダヤ式記憶術の強みを以下でまとめてみました。
ユダヤ式記憶術の優れている点
前段の繰り返しになりますが、「生命の樹」という体系図を用いることにより、知識をひとりぼっちにしない仕掛けがあることです。知識に関係性を持たせているので松平定信を思い出せば株仲間が連想されます。
続いて株仲間から水野忠邦が連想されます。また、一連の連想そのものが時系列になっています。水野忠邦は株仲間を解散して経済を悪化させたので、原因と結果も含まれます。このように知識が流れだす仕組みがユダヤ式記憶術にはあるのです。「寛政の改革を行ったのは?-松平定信」というクイズ的な暗記を見事に克服したのには好感が持てます。
■「試験に受かるユダヤ式記憶術」の優れている点は以下の3つです。
- 知識を体系的に吸収している、つまり、理解して記憶せざるを得ない仕掛けがあるので長期間記憶できます。そもそも生命の樹はカバラ思想を広く伝えるための体系図なので、優れた仕掛けがあるのです。
- また、体系的であるがゆえに、知識同士の結びつきが強いです。したがって、ひとつの知識さえ思い出せれば、芋づる式に記憶が連想されます。つまり、思い出しやすいのです。これも仕掛けのひとつです。
- 最後は、誰もが実践できる点です。これは生命の樹の目的がカバラ思想を広く伝えることからも明らかで、頭脳明晰な者しか生命の樹を理解できないのなら、今日まで伝えられることはなかったはずです。使いこなすための慣れは必要ですが(後述)、才能は必要ありません。
ユダヤ式記憶術の弱点
残念ながら、どんな手法であっても弱点はあります。「試験に受かるユダヤ式記憶術」は、あくまで私が感じたことですが、2つあります。
ひとつは生命の樹の仕組みを理解するまでに慣れが必要なことです。生命の樹の仕組みを頭にたたきこむには、それなりに覚えるべきことがあり、頭に汗をかく必要があります。したがって、試験まで短期間しかない方は購入は控えた方が無難です。「試験に受かるユダヤ式記憶術」はあくまで腰をすえて勉強する覚悟がある方だけに有効な記憶術です。
また、「試験に受かるユダヤ式記憶術」は応用の利く科目と応用しづらい科目が存在します。応用の利く科目は「歴史」「哲学」「法律学」で(私が思うに)「数学」などには応用しづらいのではないでしょうか?
本書においても、応用の実践がありますが、そのほとんどが歴史に割かれています。資格試験や法律、英語についても応用の実例は示されていますが、歴史に対するウェイトが大きいです。したがって、これらの科目以外で購入を検討している方は、販売者に直接確認するべきです。
(販売者とのコンタクトは「試験に受かるユダヤ式記憶術」の右上にある「お問い合わせ」から可能です。販売者が丁寧に答えてくれます。)
まとめ
この記憶術の製作者である松平勝男さんは数多くの難関試験に合格された方です。また、本書を読んでいて伝わるのですが、本編の各所に「記憶に関するコラム」を設けており、おもしろく読めるよう工夫がなされています。情報商材としての価値には直結しませんが「良いものを作ろう」という姿勢が伝わってくるので、大変な好人物と察せられます。
また、本書では述べられていませんが、昨今の右脳ブームに対するアンチテーゼのような作品です。本書ではひとことも右脳批判はしていません。しかし、数多くの「記憶本」「記憶商材」を購入している私からすれば、人間の基本である左脳処理に立ち返ったこと自体を評価します。
やはり大学受験や資格取得には「泥臭く、しかし効率的に」行うのが最良の勉強法です。繰り返しに成りますが、この記憶術は決して楽して記憶できるものではありません。むしろ生命の樹の仕組みに慣れるまでは頭に汗をかくことになります。しかし、それだからこそ、一生使える武器になるのです。私もこの記憶術をずっと使うと確信していますから。
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。レビューは終了です。
あなたが目標を達成して、理想の人生に近づけるようお祈りします。
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