語彙力を身に付けるには?学習参考書と文学作品がオススメ
- 思考は頭の中で言葉によって行われる。語彙が少ない人は、それを通した狭い世界しか見ることが出来ない。
- 語彙が少ない社会人はそれだけで舐められる。あなたは「ヤバイ」「ウザイ」を連発する人と付き合いたいか?
- 語彙力関係の受験参考書を活用する。受験生向けだが、社会人でも十分使えるので、オススメである。
- 優れた文学作品に触れる。物語やシチュエーションのなかで言葉が登場するので、単純に覚えやすい。
本記事の結論を先出しすると語彙力がつくと、人生が豊かになります。
人間は言葉を使って思考しています。語彙が少なければ、当然、思考にも限界が生じます。極端な話をすると、英語を知らない人には英語的な発想ができません。母国語の日本語であっても、語彙が乏しければ、考えに限界が生まれてしまうのです。これはとてももったいないことですね。
裏返せば、語彙力が身に付けば世界が広がります。新しい言葉を知ることで、頭の中の宇宙がグッと広がるのです。当然、あなた自身の発想力も高まり、世界観も変わっていきます。人生にもビジネスにも活きるのです。
また、ビジネスパーソンにとって、語彙力は信用に関わります。あなたは「ウザイ」「ヤバイ」という単語を連発する方と付き合いたいですか?
一瞬で「教養がない」という烙印をおされて、偉い人との人間関係から外されてしまいます。実際は、あなたに豊富なスキルがあったとしても、コミュニケーションの段階で切り捨てられるのです。悔しいことですね。
しかし、語彙力が豊富だったり、読書のトークができれば、「この人は教養がある」と一目置かれます。優秀な方たちとの人間関係も作れるので、あなたにビジネスチャンスを引き寄せてくれるかもしれません。
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語彙力を高める方法
- 大学受験用の参考書を活用する。
- 優れた文学作品に触れる。
■受験参考書を活用する
語彙力に自信がない方は大学受験用の参考書を活用しましょう。筆者が愛読しているのは『読解を深める現代文単語<評論・小説>(桐原書店)』。
受験生のための参考書ですが、社会人でも使えます。評論や小説に登場する難しい言葉を、対義語や関連語を含めて解説している優れものです。
真剣に読み込めば、大学受験レベルの語彙力が身に付きます。また、身に付けた語彙力で評論や小説を読めば、さらに語彙力がつくことでしょう。
教養を磨くための第一歩として受験参考書ほど最適なものはありません。
■優れた文学作品に触れる。
語彙力をつける最強の方法は小説を読むことです。たとえば、「衒学的」という難しい言葉でも、小説中の物語やシチュエーションのなかで読むことになるので、単純に覚えやすいのです。そもそも、言葉の適切な使用は文脈によってしばられるので、実際の文章中で読んだ方がいいのです。
オススメは夏目漱石です。明治時代の作家ですが、そこがいいのです。
現代の小説でもいいのですが、昔の小説の方が感覚にひっかかるのです。時代のズレによって、語彙へのアンテナがかえって立ちやすいのです。
智に働けば角が立つ。情に掉(さお)させば流される。
大変有名な名文ですね。「理知だけで割り切ると他人と衝突し、他人を気遣っていると足元をすくわれる」という意味です。ここから「掉さす(さお-)」という言葉を辞書で引けば「流れに掉さす」という慣用句にもいたります(『傾向 に乗って、ある事柄の勢いを増すような行為をする』)。
小説中に気に入った文章があれば、そらで言えるように暗記しましょう。何度も音読すれば、自然とスラスラ言えるようになります。そして、それを繰り返せば、語彙力がメキメキとついてくるはずです。
ちなみに、夏目漱石は日本語の語彙を大きく変えた人物です。漱石以前の小説は漢文帳の格式ばった文体が主流だったのですが、漱石は二葉亭四迷と共に「言文一致運動」を行い、喋り言葉に近い文章で小説を書くようになったのです。日本語のスタイルそのものを変えてしまったのですね。
実は、現代人が使っている日本語の基礎は漱石が作ったものです。そのため、日本語学習のテキストとして夏目漱石の作品がピッタリなのです。
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